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2007年12月28日

「健康で元気に老後を過ごそう」をテーマに近畿大学がアンチエイジングセンターを開設

めざしてほしい「健康長寿」
―抗加齢実現へ「チェック」「ケア」「キュア」を―

近畿大学アンチエイジングセンター副センター長
山田秀和近畿大学医学部奈良病院皮膚科教授


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 アンチエイジングセンター開設の発案者と聞きました。なぜ開設しようと?

 「皮膚は心の鏡、内臓の鏡」といわれ、皮膚を診ると内臓や心の状態がわかることが多々あります。それを皮膚だけにとどめず明確な数値を出して人間の体の状態を知り、病気になる前にケアすれば健康に過ごせます。それがアンチエイジングへ目を向けるきっかけです。アンチエイジングというと、女性の美容的なイメージをもたれる方もいると思いますが、それはあくまで一部というのが私の考え方です。


 5年ほど前に現在の日本抗加齢医学会に入って勉強を始め、病院内でも薬剤師や看護師、理学療法士、栄養士を集めてアンチエイジングの勉強会をスタートしました。アンチエイジングドックをつくるのに新たな投資はほとんど必要ありませんし、総合大学の機能を活かして医学部や薬学部、農学部、さらに健康スポーツ教育センターが協力体制を組めれば開設は可能と思い、3年前に「アンチエイジングドックをつくりたい」と提案したところ賛同を得ることができました。


 アンチエイジングとは?

 抗加齢医学と呼んでいますが、「病気の治療」から「健康な人のさらなる健康」を指導するプラスの医療で適切な食事や運動、精神療法を指導し、場合によってはサプリメントなどを処方することで加齢や老化の原因に対して早めに対処し、年齢を重ねても質の高い生活を維持することを目的に進められる予防医学です。ピン、ピン、コロリという意味で「PPK」と呼んでいますが、目指すのはこれです。わかりやすくいえば寿命と健康寿命を揃えることです。受診対象者は「私は健康です。体の調子はいいと思っています」という人です。


 すでに診療を始めていますが、どういう方が受診していますか。

 男女比率は半々で年齢は50〜70代の方が多いです。男性は企業の役員クラスの方が中心です。「どういう理由で受診されたのですか」と聞くと、「健康長寿を目指していますので」と言われる方がほとんどです。そのためにケアしようと。病気を予防しようという意識が高い方ですね。


 アンチエイジングドックが中心になると聞きました。

 医師という仕事から見ると、まず老化度を測定するのが第一です。それで受診者の体の状態を把握します。そして出てきた数値で状態を判定します。それから受診者の体の状態に合った食事や運動療法などを指導します。これをテーラーメイド医療といいますが、それを実践するために最初にドックで判定する必要があります。


ドックは3コースから選択


 予約しないと受診できないのですか。

 そうです。受診日は現在、火、水曜日の午後です。午前中は一般外来があるからです。現状では1日に2人しか受診できません。検査の項目が多く時間がかかるためです。それが難点ですね。問診表も書いてもらい、前日から節制してもらわないといけません。たとえば糖の検査は最低12時間絶食しないと血糖値が正確にとれないからです。


 奈良病院に「アンチエイジングドックを受診したいのですが」と電話をすると担当の部署につながります。そこで名前と連絡先を聞いて申込用紙やドックのパンフレットを事前に送ります。受診される方は、ドックが3コースありますから「何日に、何コースを受診したい」と電話をかけてもらえばいい。指定日が空いているかチェックして返事します。そして日時が決まると事前に受診時にしなければならないことを書いたパンフと検査用(尿)容器を送ります。

血管年齢
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骨年齢・骨密度測定
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体組成・体脂肪測定
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 3コースあるといわれましたが。

A はい、Aが3万円台、Bが6万円台、そしてCが9万8000円です。検査でチェックする項目が多いか少ないかで違うと思っていただければいい。ただ、健康を本格的にケアされるのであればBコースかCコースにしていただければと思います。時間は2時間くらいかかります。


 検査の主な項目は?

 健康診断のように採血して行います。項目は一般的なものに加え、血管年齢や成長ホルモンなどのホルモン年齢、神経年齢、筋年齢、骨年齢、そして酸化ストレス度を評価します。


 検査の結果を聞いて対処するには?

 Aコースで3週間後、B、Cは4週間後に来てもらいます。検査数値を出すのに時間がかかるからです。来院されたときに30分間ほど私が判定結果など説明、カウンセリングします。その結果、例えば骨密度が低く筋力も低下していて「これは整形外科で治療しないといけない」と判定した場合、受診者に説明して運動や治療を勧めます。終われば次の日時を予約していただきます。栄養指導を要望されると指導が始まります。受診者とは長いお付き合いになります。


 検査項目が多いですから受診者は結果を聞いても理解しにくいのでは?

 そうですね、検査項目が多いですから一度に説明しても受診者は理解しにくい。そのため1カ月後か3カ月後に再度来てもらうようにします。判定の結果を見て基本的な説明やカウンセリングをして、たとえば「食事が問題ですね。食事指導を受けられますか」と聞いて「受けてみたいです」と言われた場合、「食事日記を書いてもらえますか」といった話をします。


受診者に目立つ睡眠不足


 薬学部や農学部などとの連携はどのように?

A 検査の結果、数値で問題がある受診者には食事(食養生)や運動療法を行って改善に取り組みます。そして半年か1年、2年後にまた測定します。そこでうまくいっていればOKです。しかし、まだ問題があればサプリメントを摂りますかという話をしていきます。ここで薬学部の先生に協力してもらって受診者にリスクが少なく、かつ効果のあるサプリメントの話をしていただく。食事療法は農学部の先生に栄養指導を、運動療法は健康スポーツ教育センターの先生に協力していただくということになります。食事療法の指導もアンチエイジングですから普通の食事指導では糖尿病患者と同じになってしまうのでアミノ酸や抗酸化物質のレベル、あるいは重金属のレベルとかが入ってきます。


 食事や運動療法を指導し、受診者にOKを出される目安の数値は?

 アンチエイジングの基本はそれぞれの項目で上位10%、偏差値70%以上を目指すことです。


 ドックはスタートしたばかりですが、何か見えてきたものはありますか。

 受診されている方で目立つのは睡眠不足です。齢をとってくると不眠を訴えられる方が多い。「夜寝られない」「朝早く目が覚める」と。これはストレスと関係してきます。皮膚科から見ると皮膚の乾燥はストレスと関係することが多い。しかし年齢によって男女差があります。そうすると対応の方法が違ってきます。精神的なもの、心配事があると皮膚は乾燥します。


 受診者の多くは50〜70代ですがアンチエイジングは若い人でも体をケアするには必要では。

 もちろんです。アンチエイジングは美容や老人対象のイメージをもたれますが私はそう考えていません。スポーツアスリート(競技者)も使えると思っています。近畿大にはスポーツ分野で有力な選手も多いですから管理もできます。実際にアンチエイジングセンターの機能を活用して優秀なアスリートが誕生すれば理想的だと考えています。今後、アスリートをどう鍛えるかを数字的な裏付けを含めて考えています。いずれアスリートコースをつくる考えです。


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近畿大学医学部奈良病院
奈良県生駒市乙田町1248-1
TEL 0743-77-0880
受付時間 平日 8:30〜11:30
土曜 8:30〜11:00
休診日 日・祝・年末年始(12月29日〜1月3日)
本学創立記念日(11月5日)

ドックを受診し健康長寿を委ねてほしい


松田秀秋近畿大学薬学部教授に聞く


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 一般に関心が高い老化はどうして起こるのか。

 原因としては、ホルモンや免疫力の低下が挙げられます。最近は加工食品をよく食べるようになっていますので、それにともなって酸化ストレスで血流が低下することなども指摘されています。このような症状を起こさないようにしようというのがアンチエイジングです。従来は病気になれば病院で薬を処方してもらい、それを飲んで治療をする形でした。それを一歩推し進めて日常生活に気を配り、病気を予防して健康長寿を目指そうということです。


 先生の薬用資源学研究室では天然物に関する研究をされています。

 今までは、どちらかというと治療薬の研究開発に取り組んできました。研究している素材は天然物ですから、体の調整作用あるいは恒常性の維持に作用するものが多いので、アンチエイジングとして病気を予防する分野の研究にも力を入れていく考えです。日本は高齢化社会に突入し、高齢者も健康で元気に過ごしたいと思っている人が多く、そうした志向にもマッチします。アンチエイジングドックでは、体をケアしなければいけない受診者に薬やサプリメントの分野でお役に立ちたい。


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講演する松田先生

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熱心に聞き入る後援会参加者


 天然物からの薬といえば漢方薬を想起します。漢方薬とアンチエイジングとの関連は?

 中国最古の薬物書といわれる『神農本草経』の上品に記されている生薬は、副作用がなく長期間、服用しても大丈夫な薬草です。その薬物書のトップに記されているのが薬用人参です。薬効的には「主に五臓を補い、精神を安定させる」と書かれています。何が言いたいかといえば、『神農本草経』に記された薬能と科学的研究による薬理作用では、免疫力を高めるということです。血流を良くして消化器系の機能を上げる、すばらしい薬が薬用人参です。


 偏食や運動不足などが、生活習慣病を誘発するといわれています。

 生活習慣が悪いと、血流や免疫力が低下し、腸内細菌のなかでも悪玉菌が増加します。それを放置して改善しなければ、高血圧や糖尿病、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、ガンなどの生活習慣病になり、気がついたときには手遅れです。健康で長生きするには生活習慣に気をつけて暮らせば、きっとご褒美があります。薬用人参は健康長寿に役立つものであると思います。


 奈良病院にアンチエイジングドックが開設されました。薬学部としての対応は?

 アンチエイジングドックで、受診者が薬やサプリメントを飲まないといけない人だと判定された場合の対応方法の標準化を、早く確立しましょうと提案しています。


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健康相談コーナーに溢れるばかりの相談者たち


 昨今、みなさんのサプリメントへの関心は高いものがあります。

 2007年10月にアンチエイジングセンター開設を記念し、近畿大学が開いた市民公開講座には多くの地域住民の方が参加されました。私もアンチエイジングに関する講演をしました。そこで参加者の健康への関心が高いことに驚きました。講演後に多くの参加者から「今、こういうサプリメントを摂っているが体にいいでしょうか」と具体的な相談も受けました。アンチエイジングドックでは受診者のサプリメントの相談にものっていかないといけないと考えています。私の研究室でも今後はサプリメントの開発に加え、企業からの受託研究や品質評価などにも取り組んでいきます。

食生活指導で健康をフォロー

近畿大学アンチエイジングセンター副センター長
村上哲男近畿大学農学部教授・食品栄養学科長に聞く


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 アンチエイジングセンターで先生はどう連携されるのですか。

 これまで老化度はテレビや健康誌等の情報をベースに、感覚的に判定していることが多かったと思います。それでは間違いもありますから、正しく評価するためには、まずアンチエイジングドックを受診されて自分の老化度を正しくチェックされることです。そして受診者の劣っている部分が判れば、方針を決め管理栄養士や健康運動実践指導士が指導に入っていきます。指導の基本は栄養や運動ですが、時にはサプリメントによる対応もします。私の学科は管理栄養士の養成課程ですので受診者には栄養指導でお手伝いさせていただきます。


 具体的な受診者への対応は?

 受診者に、今の食生活の状態や運動の程度を把握するためにカウンセリングを行ないます。それから、受診者の状況に応じた食生活や運動のオーダーメードの指導をしていくのが私たちの役割です。


 まず、受診者の食生活の調査から始めます。そしてどこに問題があるかをチェックし、食生活の改善から入っていきます。その場合、受診者の食生活の記録を残していきます。記録させることで受診者の意識を高めていきます。アンチエイジングには終わりはありません。まず、1カ月間での食生活の状態を見ます。そこでエネルギー収支を計算したうえで、栄養摂取と運動処方を行ないます。その後、3カ月で中間的な評価をします。このようにして受診者の健康をフォローしていきます。


 バランスのとれた栄養の摂取と運動を並行して実践するのは?

 加齢とともに、太った人が多くなります。それは基礎代謝が低下し、運動量も減少してエネルギー消費が少なくなるのに、食べる量がそれほど減らないからです。これらのバランスの崩れが結果として肥満につながるのです。運動不足も肥満の原因になるわけです。受診者へのカウンセリングを大事にし、加えてケアを長続きさせないといけません。だから受診者の健康への高い意識が求められます。


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 人間ドックは検査をして、その結果が出て終わりです。

 人間ドックとは、明らかに違います。アンチエイジングドックでは検査をして結果を見てからケアが始まるのです。年齢を基本にそれから老化度を評価し、3カ月や1年継続して指導します。長く続けますからケアの面で補助的にサプリメントの必要性も出てきます。


 基本的なことですが食べ物の働きは?

 体をつくる栄養素は、食べ物から供給しています。大切なことは、私たちが食べている食材にはすべての栄養素、つまりたんぱく質や脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどがすべて含まれていることです。その中で糖質は主にエネルギー源、脂質やたんぱく質は筋肉をつくり、ビタミン、ミネラルは生体の調節機能を果たします。これらの栄養素がきちんと入ってこないと体が正常に働きません。ほとんどの人は食べすぎで、栄養素を処理する過程で発生する活性酸素に曝らされています。その害から身をまもる(アンチエイジング)ためにも抗酸化物質を多く含んだ野菜の摂取に心がけることが大切です。


 栄養素が不足すると免疫力も高まらない。

 アンチエイジングドックの検査では免疫の項目もありチェックします。この免疫力を高めるには、いろいろあります。食との関連からいえば十分なタンパク質を摂ること、栄養素をバランスよく摂ること、さらに腸内環境を良くして体の機能を高めるために乳酸飲料や機能性オリゴ糖などのプロバイオテイックスやプレバイオテイックスなどを摂ることです。ところが多くの人は科学的根拠のないサプリメントを安易に利用する傾向があります。なんといっても基本は食生活です。


 健康な体をつくり維持する条件は何ですか。

 栄養と運動、休養のバランスですね。それに加えて、生体リズムを整えることです。規則正しい生活と健全な食生活をすることが大切です。とくに朝食が大切です。なぜかといえば、朝食は1日のリズムを整えるからです。朝食を食べて血中のブドウ糖を上げたときに、はじめて体を休息から活動状態に変えるスイッチをオンにするのです。この働きが朝食にあるのです。まずは早寝、早起き、しっかり朝食をとることですね。それに加えて「笑い」も健康をつくる大切な要因だと思います。

奈良病院でのアンチエイジングドック中心に国民の健康増進に貢献へ


近畿大学アンチエイジングセンター長
掛樋一晃近畿大学薬学部教授・薬学部長に聞く

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 今、なぜアンチエイジングセンターを開設したのか。

 日本は高齢化社会に入りました。そうしたなかで病気になる前に予防しようという「予防医学」の大切さがいわれています。つまり、病気になるまえに運動や食事に気をつけて、健康で元気に老後を過ごしましょうということです。国は「新健康フロンティア戦略」を打ち出し、「がん克服力」「メタボリックシンドローム克服力」「スポーツ力」といった力を国民がつける「健康国家への挑戦」に踏み出しています。近畿大学も総合大学として、国の施策に貢献するためです。


Q どう貢献しようと?

 近畿大学の世耕弘昭理事長から、国が「健康国家へ挑戦」するなかで「近大が総合大学の強みを活かし、学部が連携すれば役立てるものがある」という話がありました。九つある新健康フロンティア戦略の中で、「がん克服力」「メタボリック克服力」「スポーツ力」「食の選択力」の四つはすでに研究に取り組んでいます。そこで、それに関連する医学部や薬学部、農学部、健康スポーツ教育センターが連携すれば今すぐにでも対応できると判断し、それに最もふさわしい抗加齢医学の研究を一丸となって推し進めるのが「アンチエイジングセンター」と考え、立ち上げることになりました。センターで研究実践の戦略を策定し実行することで、近大が国民の健康増進に寄与できます。


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近畿大学薬学部棟


 実行するには人材が必要ですね。

 2006年から薬学部では6年制が始まりました。基本は医療に根ざした薬剤師を育てることですが、創薬も重視しています。この中には健康食品(サプリメント)も含まれます。そこで活躍できる薬学の知識をもった人材を育てたい。そうなると薬学だけではなく、医学部や農学部の協力を得て幅広い知識を持たなければならない。そうした考え方に立ったときに四つが連携するアンチエイジングセンター開設に結びついたともいえます。


 アンチエイジングセンターの具体的な中身は?

 医学部「奈良病院」が中心になって対応するアンチエイジングドックです。抗加齢に関心の高い受診者を、問診や採血によって健康状態をチェックします。その結果をもとに投薬が必要かどうか、あるいは運動を勧めるといった指導をします。ここから薬学部や農学部、健康スポーツ教育センターとの連携が始まります。受診者の健康状態に即した総合的な健康指導といえます。


 「メタボリック克服力」の研究は?

A メタボリックは簡単にいえば、内臓脂肪の蓄積により糖尿病や高血圧などの動脈硬化の危険因子が、一個人に集積している状態です。糖尿病の発生率を減らし、脳卒中や心疾患による死亡を減らすために、この三つに対する漢方や健康食品を薬学部薬用資源学研究室や薬学総合研究所で開発することを第一目標にしています。


 「食の選択力」というのは?

 生涯にわたって健康な心と体を保ち、豊かな人間性を育むのが目標です。それにはいい食事をすることも大切です。食に対する知識と食を選択できる力を身につけるため、農学部が中心になって食事バランスガイドなどを作成します。


 ところで「アンチエイジング」は、最近よく耳にするようになってきました。

 国内では医学を中心に「抗加齢ドック」「抗加齢外来」を開設する大学も出ています。ただ近大のように医学・薬学・農学・健康スポーツが連携して取り組むところはありません。アメリカでは医療において非常に注目されている分野です。また臨床医向けに開発されたサプリメントは、医療の現場で多用されて医療効果を上げています。そして成人の60%以上が日常的にサプリメントを利用しているそうです。


Q 今後のアンチエイジングセンターの取り組みは?

A 医・農・薬学部でそれぞれアンチエイジエイジングの実践や研究を行っています。アンチエイジング物質は特定の効果が科学的に証明されてはじめて具体的な健康増進などの効果を表示することができます。これらの臨床面の効果と安全性を病院で、物性面の安全性・品質評価を薬学部で検証します。それとすぐできること、そして1〜2年の中期、それ以降の長期に分けて目標を細かく設定してアンチエイジングセンターの機能を強化したい。もちろん生活者への広報も重視しアンチエイジングに関心を持ってもらい、健康で元気に老後を過ごしてもらえればと考えています。

2007年12月03日

百貨店で健康食品が人気 健康食品を素材別に分けてわかりやすく懇切丁寧な説明が評判

小田急百貨店バイヤー
渡邊幸香利さん
Yukari Watanabe


健康関連の商品の購入については、信頼性が大きな要素となる。小田急百貨店新宿店がその部門で好調なのは、販売陣がみなプロフェッショナルな知識を持った有資格者で構成されているからだ。店及びその担当者に信頼があればこそ、お客様もリピーターとして訪ねてくるのである。小田急百貨店の健康食品売り場のコンセプトから販売戦略をバイヤーの渡邊幸香利さんにお伺いした。


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お客様の顔が見える健康食品のご提供を心がけています


――百貨店という場所で健康食品を販売されているわけですが、お客様が百貨店を選んで健康食品を求めに来られる理由というのはどのあたりにあるのでしょうか。

渡邊●百貨店の信頼性が一番だと思います。そして小田急百貨店では健康食品の売り場を8Fに常設している点が挙げられます。他店では、地下の食品売り場に併設していることが多いのですが、当店は薬局も併設しており、ゆったりとお客様のご相談に対応できるような環境づくりをしています。食品売り場では人通りも多く、健康のことについてゆっくりとお話ししにくいのではと思われます。

 そのことが、小田急百貨店の「健康プラザ」(健康食品コーナー)が支持されている理由だと思っています。また接客担当者も薬剤師や栄養士、サプリメントアドバイザーの資格を持っていますし、スペースもプライバシーが守れてじっくりお話が伺えるような環境づくりを整えています。そこでお客様の健康のご相談に応じています。


――小田急百貨店では、健康産業の商品として健康食品をどのように位置づけられているのでしょうか。

渡邊●他店では美容などエステ部門と一緒になっているところや癒しマッサージ部門と一緒のところもありますが、健康食品についてはお客様のニーズが高まっていることもあり、独立したコーナーを設けています。そして、お口に入れる食品ですので、しっかりエビデンスや安全性を説明しながら販売しています。今後はさらに裾野を広げて対応していかなければならないでしょうが、基本は「美しく健やかな生活を」ということではないでしょうか。


――小田急百貨店の健康食品売り場が好評なのは、懇切丁寧な対応とゆっくり相談できる環境づくりだということでしたが、お客様からの反響はどうでしょうか。

渡邊●「安心して買い求められる」という声を多くいただいています。特にリピーターが多いのは、相談させていただく担当者が経験豊富であることで信頼を得ているのだと思います。また、お客様からのフィードバックの蓄積も私たちの大切な財産になっているのです。

 お客様は健康食品の商品を求められていらっしゃるのですが、リピーターになっていただいているお客様はスタッフを信じて直接相談に来られていることが多いですね。それが私どもの特徴の一つではないでしょうか。憩いの場ではないですが、健康を中心にしたコミュニケーションの場となっているようです。

 ですから、DMを出させていただく場合にも担当者と打ち合わせてから行っていますので、必要な商品情報をお客様に確実に送ることもできるわけです。これはお客様と何度もお話ができているからこそと言えるでしょう。お客様の顔が見えるというのが、私どものモットーです。

 以前はテレビなどで取り上げますと、その商品を求めていらっしゃいましたが、最近では、一つのアイテムをお客様に伝える方法としてDMなどを活用しています。お客様とお話した上で、適切な健康食品をご提供しています。


――“食品の安全性”が社会的問題になり、成分表示など消費者にとって不安な部分が取り沙汰されていますが、その辺りの影響はどうなのでしょうか。

渡邊●私どもとしてはメーカーの自己責任に基づいた確実なデータのもとで安全な商品をご提供していますので、お客様の信頼を得ていると思っています。風評としての問題はありますが、全体的に影響は少ないと考えています。しかし、健康食品もエビデンスの訴えかけで自然淘汰されてきているということで、安全な商品だけが残り、結果的に消費者にとってもいいことなのでしょう。


健康食品を素材で分けてわかりやすくディスプレイ

――最近の健康食品の時流と言えば、どのようなものが中心になっていますか。

渡邊●以前のブームは、やはりアガリクスでしたね。アガリクスが特定の病気に効果があるということで、お客様がどんどん買い求められました。

 いまは腸内環境を改善するものや、免疫系の健康食品がよく売れています。また、季節の変わり目には、関節の痛みを和らげる商品や、プロポリスなども人気がありますね。

 忙しい現代社会にあって、健康食品を有効に活用されることは、ご自分の健康管理にもなりますし、病気にかからないように保険をかけるという感覚で摂取されるのはいいことだと思います。


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乳酸菌商品群


――商品ディスプレイの工夫にも気を使われているとか。

渡邊●量、展開品種ともに他店にはない売場編成のため、お客様の側に立った健康食品の販売を心がけています。

 売り場では健康食品をこれまでショップ単位で販売していたのですが、それを乳酸菌やきのこ、果実といった素材の種類で分けるようになりました。商品がどういうものでできているかがすぐにわかるということで、お客様にご好評です。ディスプレイも手前に青汁などを置き、奥のほうには免疫などの説明が必要な健康食品を置いております。そこでご相談もできるわけです。


――先ほど健康食品の時流的なものについてお伺いしましたが、その辺りで商品管理も気を使われるところですね。

渡邊●一時的なブームの商品もありますが、そういうものも含めて、現在もずっと店頭に出ているのはお客様が実際にご愛用なさっていて、リクエストが多いということの表れでもあります。

 お客様には、パンフレットなどで商品を説明し、納得してもうらことが大切なのです。特にいまサプリメントは非常に充実してきています。形態としては小分けされた分包は人気がありますね、いつでもどこでも持って歩くことができるということで……。実際、その方が続けやすいわけですから継続性にも繋がってきます。業界全体でもそういう傾向があるようですね。


――有難うございました。

健康食品売れ筋ベスト10
商品名
1  フェカリン20フェカリン80
2  ネオプロポリス
3  蜂蜜
4  SSG+300W(アガリクス)
5  ローヤルゼリー
6  グルコサミン&コラーゲン
7  イチョウ葉・ブラギンゴ
8  万田酵素
9  ノニ
10 すっぽん
(小田急百貨店新宿店「健康プラザ」調べ)

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●小田急百貨店 新宿店
住所:〒160-8001 東京都新宿区西新宿1-1-3
電話番号:03-3342-1111(代)
営業時間:10:00~20:30(フロア・季節により異なる)