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2007年06月18日

アジア諸国からの投資セミナーが続々と開かれる~問われる日本の対応~


 このところ、アジア諸国から日本へ投資ミッションの働きかけが続いている。安倍内閣の「アジア・ゲイトウェイ構想」でも、「今や、東アジア共同体構築の名の下に、地域協力が進展し、過去には想像できなかったスピードで変化を続けている。(中略)アジアは、通貨危機の経験後は一層、グローバル化を躊躇なく受け入れる地域へと発展しており、むしろ取り残される可能性があるのは日本であるという、冷徹に注視すべきだ」と述べている。まさに、いまや「アジアにおいて日本が唯一の巨人である時代は終わった」のである。


 最近のアジアからのミッションを列挙してみると、5月15日に「ラオス経済・投資セミナー」、同23日に「フィリピン・ビジネスセミナー」、6月14日に「カンボジア投資セミナー」という具合だ。これらのセミナーにはそれぞれ、ラオス人民民主共和国ブアソーン・ブッパーヴァン首相、フィリピン共和国のグロリア・マカパガル・アロヨ大統領、カンボジア王国のフン・セン首相らが出席という熱の入れようであった(もちろん、アジアからだけのミッションではない。この6月14日には、EUからも「金融サービスに対する規制枠枠組みの改善」シンポジウムも開かれている)。


ラオス.jpg
ブアソーン・ブッパーヴァン首相


 まずラオスといえば、ベトナム、タイ、カンボジア、中国、ミャンマーに囲まれた内陸国で農林水産業の国といえよう。しかし、昨年12月に第2メコン友好橋の開通により「東西経済回廊」が完成し、国の産業の構造が変わりつつある。電力供給基地あるいは資源開発などが注目されよう。もちろんASEAN地域の関税の撤廃が、投資への流れを後押しするだろう。また観光資源の開発にも力を入れようとしている。


 山本幸二経済産業副大臣の挨拶で「関税撤廃により、ラオスで生産された部品等をタイ・ベトナムで組み立て、日本及びASEAN諸国に輸出していくビジネスモデルが拡大すると期待される」と述べところが注目されると同時に、周辺の国よりも労働賃金の安いというメリットがさらに後押しすることは間違いないだろう。


フィリピン.jpg
グロリア・マカパガル・アロヨ大統領


 フィリピンからは「アジアでの費用対効果がもっとすぐれた国」ということがアピールされた。もちろんビジネス環境の好転で、現在進出している企業も多くのビジネスチャンスを掴む可能性がある。現在、フィリピンの輸出先として、そしてフィリピンへの投資国として日本はいずれも第2番目(トップはいずれもアメリカ)である。


 アロヨ大統領は5月23日、の安倍首相との首脳会談に出席。昨年9月に署名調印した「日比経済連携協定(EPA)」へのさらなる進展を話し合った。またビジネスセミナーでは、フィリピンのマルガリート・テベス財務省長官およびアマンド・テタンコ中央銀行総裁によるプレゼンテーションが行われた。


 その前日の22日には、安倍首相はマレーシアのアブドゥラ・アフマッド・バダウィ首相と首脳会談を行った。安倍首相は「外交関係開設50周年にあたる本年、日本とマレーシアを更なる発展に努力していきたい」と述べ、8月訪問希望を伝えた。そして7月18日にマレーシアのアジズ国際通産省大臣が来日し「マレーシアにおけるビジネス機会」セミナーが東京で開催の予定である。


カンボジア.jpg
フン・セン首相


 そして6月14日に開かれた「カンボジア投資セミナー」では、フン・セン首相が「海外からの投資では、農産業、製造業、観光業、地下資源開発、サービス業、ITなどの分野の魅力」を訴え、特に地下資源について「原油、天然ガス、鉱物資源の発見と開発は、我が国の将来とって大きな可能性をもたらし、カンボジアが資源保有国として新たなスタンスを確立」と強調した。


 いずれにせよ、アジア諸国の経済は大きな変化を迎えている。アジアのリーダーと自任してきた日本も、中国の台頭をにらんでもう一度アジアでの立場を考えてみるべき時期である。麻生太郎外務相が「自由と繁栄の弧」を標榜し、アジア諸国に新たに訴えかけたことに応じて、アジア諸国との経済レベルでの交流を増やしていくことが命題となっていくだろう。